松永幹夫

イケメン格闘家、イケメン歯医者、イケメン一級建築士
現代は空前のイケメンブームだ。

しかし、松永幹夫にはイケメンという言葉よりも甘いマスクという言葉が良く似合う。
絵に描いたような甘いマスクをしながら、ここ一番で奇跡的な男気を魅せる。
松永幹夫は本当にかっこいい。

一番良い時に身を退くか、ボロボロになるまで続けるか。
そんな議論が陳腐に聞こえるほど、かっこいい最期だった。
松永幹夫のやさしさと強さがこれ以上とない形で表れていた。

どんなドラマよりもドラマチックだった。

競馬はギャンブルだ。
馬が好きだなんて理由で競馬場に行く奴は大嫌いだ。
競馬には興奮はあれどロマンはない。
あるのは、勝ちと負けだけだ。

でも松永幹夫にはドラマがある。

天皇陛下の前でお辞儀する姿
最後の重賞での神がかり的な走り
通産1400勝を引退レースで決める勝負強さ
引退式での涙

すべてが絵になりすぎている。
普段目立つタイプのジョッキーじゃないのに、
ここ一番で誰も適わないほどのドラマを演じる。

甘いマスクという冠がこれほど似合う男はいない。