衝撃

「何も出来なくても、君は無力じゃないんだよ。」
秋の日和に誘われて、母校の学園祭に行ってみてびっくり。
冒頭に書いたような、何のひねりもないそのままの詩が、相田みつを系の字体で書かれた紙が、フリーマーケットで売られていた。
しかも、5店舗くらいあるんだよ。
まあ、どの店も同じような詩なんだよ。
相田みつを系の字体もいっしょ。
なんだかねえ。幼いねえ。って言えばいいんだろうけど、そうもいえない事情があるんだ。
なぜって、これ系の店に客が群がってんだよ。
大学生が、こんな幼いもん買ってんだよ。
ショックだよ。
しかも意外とかわいい子が群がったりしてんだよ。
ショックとしかいえないよ。
こんなレベルの低い作品に感銘を受けるってのはどういうことだよ。
詩とかっていうのは、普通の人が言語化できないことを言葉にするところに価値があるんでしょうが。
こんなストレートなもん詩でもなんでもねえよ。
女学生の日記レベルだよ。
なんて憤ってるとさらに驚かされた。
なんと、詩を売ってる店の一つに、詩の作者が直接、客に人生について語るというコーナーがあったのだ。
なんとまあ、おこがましい。
みんなの疑問を金とって教えるってんだからどんなもんかと思って試しに聞いてみてまたびっくり。
最初の講義は、「なぜ伝えたい事が相手に伝わらないのか?」。
ホワイトボードを使って必死に語られたが、結局は、「相手に伝える時、つい自分を基準にして伝える。でもそれは、自分のことを理解している上での基準なので、始めて聞かされる相手には完全に伝わらない。」ってことらしい。
300円。
小学校のホームルームではただで教えてくれたのに。
次の講義は、「いい女とはなにか?」。
答えはもちろん、心がきれいで自分を持った女。
300円。
やられた。
なんのひねりもないことを聞かされて600円も取られた。
腹立たしさを通り越してかわいそうになってくる。
自信満々に語る青年と、それに群がる女子大生がね。
でもあーいう人は幸せな人生過ごすんだろうな。
「しあわせになりたければ、無知であり無恥であれ。」
こんな言葉なら買ってやったのに。