純粋さを忘れた鳥は、どこで羽を休めるのだろう

ただいま。
僕は、数日間ハワイの方で余暇を楽しんでいました。
キラウェイ火山から昇る朝日に起こされ、ワイキキに沈む夕日にわが身を投影する。
時には、現地のホームパーティに誘われて、深酒をする。
そんな、毎日を送っていました。
ウソです。
単に、パソコンに触れる機会がなかっただけです。
じゃあ何してたんだって話になるでしょう。
バイトしたました。
もう楽園のようなバイトよ。
プロレス会場の設営と警備。
体育館にシート敷いて、椅子を並べる。
試合中は、警備員として試合を観戦。
試合後、シートと椅子を片付ける。
プロレス観て金もらえるって素晴らしい事じゃないですか。
労働のハードさの割には給料安かったけどね。
やっぱプロレスはいいね。
会場に、みるからに堅気じゃない任侠の方が来てらしたんだ。
年のころ70歳くらいかな。
顔は悪役商会、服装は私服のさぶちゃん。
そんな感じのあきらかな任侠人。
そんな彼が、悪役の反則技にマジギレ。
サングラス越しに鋭い三白眼で悪役をねめつける。
もう、お家芸の恐ろしさ。
しかも、会場の“帰れコール”にあわせて大声で“帰れコール”。
ドスの効き方が圧倒的に違う。
もう、今にも拳銃でドンパチ始めるんじゃないかって迫力。
しかし、試合が終わり反則技でコテンパンにされた選手が退場する時、彼の目が変わった。
「兄ちゃん、あんな卑怯な奴ら許すなよ。応援してるからな。」
笑顔で、選手を励ます任侠さん。
彼が、どんな人生を生きてきたかはわからない。
塀の向こう側に行ったことがあるのかもしれない。
本当の命のやり取りをしてきたのかもしれない。
でも、そんなことは関係ない。
プロレスは、誰にも等しく興奮と感動をあたえてくれる。
プロレスは、誰にも等しく純粋さをよみがえらしてくれる。
プロレスっていいものですよね。
誰がなんといおうと、反則技に本気で怒れる人が、僕は好きだ。