じいさん

もはやニートではない。
なぜか急激にバイトの量が増えてしまった。
月22日も働けませんよ。
だって長年ほぼニートだったんだもん。
今日は、そんな僕のバイト先で起こった話です。
ホテルのロビーでいつものように所在無げにうろうろしてたんです。
そうしたら、一人のじいさんに話しかけられた。
じいさんは、特攻隊員の生き残りだった。
彼は、自分の体験談を語りだした。
その話は、僕が今まで本やテレビで見聞きしたものとほとんど変わらなかった。
じいさんはそんな話を5分ほど続けて、最後にふところから一枚の紙を取り出した。
それは、じいさんが書いた手記のコピーだった。
タイトルは、「余生ではなく与生」。
その紙を僕に手渡して僕に言った。
「これをコピーして従業員全員で読んでください。あと何枚かコピーしてフロントに置いて、宿泊客が自由に持っていけるようにしてくれませんか。日本人は、特攻隊のことをしっかり知る必要があるんです。」
じいさん。
与生の割にはあつかましいよ。
僕は、君みたいなタイプ好きじゃないよ。