これでいいのだ

さすが日本最強都市として名高い京都。
大型台風14号の猛威をまったく感じさせない穏やかさ。
こんな日は、穏やかに新しい出会いを求めて読書でもするに限ります。

そして今日、泣ける一冊に出会いました。

いやー、泣けるっていいですね。
泣かすよりも笑わす方が何十倍も難しいというのは、お笑いに携わる人間のおごりです。
そりゃ年間で泣く回数と笑う回数比べたらわかるでしょ。

それはそうと、今日の泣ける一冊。
赤塚不二夫の『これでいいのだ』。
赤塚不二夫さんの自伝なんだけど、これが泣ける。
特に泣けるのが、赤塚さんのお父さんが死ぬところ。

戦時中満州の最前線で戦い、戦後シベリアに抑留、帰国後も病気を患ったりと激動の半生を送った赤塚パパ。
死ぬ数年前NHKの受信料集金の仕事を始めて、遅ればせながら人生にやりがいを感じる。
しかし、そんな矢先にリンパ腺ガンに冒される。
寝たきりになって声もうまく出せなくなりながら生に執着する赤塚パパに、赤塚さんが言葉をかける。
「なんでそんなに生きたいの?」
その言葉に赤塚パパが、途切れ途切れになりながら言葉を返す。
「・・・いきてたら・・・おもしろい・・」

っていうような話が泣けるように書いてあるんです。
いや、書き方というかそれまでの前段階で赤塚パパに感情移入しちゃうんだよ。

とにかく、赤塚不二夫著『これでいいのだ』は泣ける。