生兵法はバカ丸出し

久しぶりに対面した母親から、自慢の髪の毛をヘルメットみたいと罵倒され、悔しいので今日髪の毛を切りに行きました。
まあ理由はそれだけじゃないんだけど、マザコンみたいな方がおもしろいからそういうことにしておいてください。

店に入ると担当の美容師がハンガーを持って出迎えてくれた。
そのハンガーに着ていた上着を脱いでかけた。
ついでに下に着ていた服も脱いでハンガーにかける。
Tシャツ一枚になった僕を見て、美容師が驚く。
間髪入れずに腕時計を外してハンガーにかけた。
そこで美容師が笑って「そこまで脱がなくていいでしょ」とつっこみを入れた。
椅子に座ると、美容師は「おもしろいですね」と言って髪を切り出した。

急に恥ずかしくて逃げ出したくなった。
あー、安いボケしちまった。
ダメだよー。
こんなことしてちゃ、ダメだよー。
わかってるんだよ。
でもついやっちゃうんだよなあ。
ダメだ、自粛しよう。

散髪が終わると、金を払ってそそくさと逃げるように店を出た。

その後飯食って本屋を冷やかしてそろそろ帰ろうかと思ったその時、とんでもないことに気が付いた。

あー、美容院に腕時計忘れてきた。

もう死にたい。
これ以上の痴態はそうないよ。

安いボケのために腕時計外して、見事にそのまま忘れて来ちゃうんだもの。
バカ丸出しだよ。
どの面下げて取りに行けっていうんだ。

そんなことを言いながら、足はしっかり美容院に向かっている。