元祖

50CCの危険なあんちくしょうにまたがり、ぷらぷらと旨そうなラーメン屋を探していた。


元来単純な性格の僕は、『元祖京都ラーメン』という古びた暖簾を見つけて、尻尾をふって店に入った。


まずくもなくうまくもない、中途半端なラーメンだった。


なんだか損した気分で店を後にした。


50CCの危険なあんちくしょうで家路に着こうかと思っていると、一軒のラーメン屋が目に飛び込んできた。


『元祖ラーメン』


まさかこんなところにラーメン発祥地があろうとは思わなかった。


こんな京都の街角がラーメン発祥地のわけないじゃん。
そんな常識の声をかき消して、僕は店に入った。


笑っちゃうくらいまずかった。

ちょっと得した気分になった。

今日の晩御飯はラーメン二杯。