中島らもさん死去

中島らもさんが死んじゃいましたよ。
本当に惜しい人を亡くした。
独特の切り口と、耐えぬユーモアを持つ素晴らしい作家だった。
みたいな感じのことは、新聞記者やワイドショーの人が山ほど言ってくれるから
言わなくていいや。
しかし、本当にすごい人だったよ。
なんたって完全なアル中だもん。
それに言いたい放題、やりたい放題。
挙句の果てに大麻で捕まって。
自由奔放だもん。
僕は、らもさんに自由を教わったもん。
自由とは戦って勝ち取るもんだってことも教わった。
しかも。死に方がいいんだよ。
階段から落ちて、10日間入院してそのまま死亡。
この情けなさがいい。
無一文で死んだ、カーネギー、アルカポネ。
命乞いして死んだ近藤勇に並ぶ死に方。
かっこよく生きてかっこよく死ぬより、
かっこよく生きて情けなく死ぬ方が惹かれるんだよね。
危険な生き方で僕達をひきつけるだけひきつけておいて、
死に方で僕達を、突き放す。
やられちゃうよ。
「こんな死に方する覚悟はできてんのか?」
っていう踏み絵を置いて行っちゃうんだもん。
偶像にすらさせてくれない。
もう頭の先から足の先まで、プロ中島らもだったね。
過去形でしか語れなくなったことが、本当に悲しい。