今日街を歩いていると、大勢の浴衣姿の男女を見かけた。
近くで花火大会があるみたいだ。
あぁ、僕ももうそういう年齢になったんだね。
１８歳とか２０歳の頃なんていうのは、近郊の花火大会の予定なんてばっちり頭に入っててさ。
あの娘をどうやって誘おうかと、セミの鳴き声に包まれて考えてたもんです。
いや、まあ僕にもそういう時期があったんですよ。
おっ、今花火の音が聞こえたような気がする。
まさか。花火大会は、ここから遠く離れた場所でやっているんだ。
でも、確かに聞こえたような気がした。
鏡に写る姿が、少し若返っている気がする。
これが、夏ってやつだね。
