スープスパにプラスチックのボール

そういえば、そうそう今日はスープスパの話。


今はどうか知らないけど、10年ほど前だったか、
とにかく割りと近い過去にスープスパという食べものが
お洒落かつおいしいと巷でブームになっていた。


今ほど情報が蔓延していなかった地方の中学生だったか
高校生だった僕が始めてスープスパの存在を知ったのは、
カジカジなんかを愛読してるひと際お増せな同級生に
教えられたからだった。


たっぷりのクリームスープの中にスパゲッティが
入っていて、スープに絡めながら食べるという。


僕たちはお増せな同級生の説明を聞いて
「気持ち悪っ。スープと麺をいっしょに食うなんて考えられへんわ」
と、しなびたシナチクの浮いたラーメンをすすりながら言った。


さてさて、これはまだスパゲッティにパスタという別称が
あることも知らない少年時代の青臭いお話でした。


次の日記はラーメンについてです。
その次はテレビについて。
その次はまだ決まってません。


まだまだ冬は続きます。

スピッツを聴きました

自分の精神状態を過信していた。


久しぶりにスピッツでも聴きながら
寝ようかと思ったのが間違いだった。


スピーカーから最初の一音が鳴った瞬間に、
僕の現在は音もなく崩れ去ってしまった。


意識下に埋もれてしまったはずの思い出が、
次から次にあふれ出してくる。
濁流のように渦を成す記憶の中で僕は何も出来ず、
ただ、ただ頭を下げる事しか出来なかった。


最後の曲が終わっても歌声は鳴り止まない。
CDは完全に止まっているのに天井から
歌声がこぼれ落ちてくる。


ああ、彼の声はまるで悪魔のようだ。


僕の声は洋楽の歌詞カードに付けられた
安っぽい対訳のように無機質に響いた。


まるで悪魔のような歌声は、ポップなメロディに
乗って甘く歌いかける。


豊かさは人を惑わせる
貧乏は人を狂わせる
豊かさは人を惑わせる
貧乏は人を狂わせる
豊かさは人を惑わせる
貧乏は人を狂わせる


頭の中でそのフレーズが延々と繰り返された。



結局はおざなりの夢オチだから
この話に大した意味はない。

マラトンに続く道

たかだかマラソンくらいで、そんなに騒ぐことかね。


東京マラソンの裏側だとかなんだとか、
朝のワイドショーで散々と取り上げて。


完走したら彼女にプロポーズしようと
婚姻届を持って走るおバカさんだとか、
コスプレしてみたり、ナンパ目的だったり。


走るのが悪いとは言ってないよ。
何かを背負って走るというのは美しいことだ。


でも、それにしても騒ぎすぎじゃないかい?


東京だからでしょ。


東京の新興ローカル祭りを何故に朝っぱらから
観させられなきゃならんのさ。


別に観なきゃいいんだけど、
にぎやかなものがやってたらつい観ちゃうじゃん。
自分もそんなプロポーズやってみたいと思うじゃん。
ちょっと、マラソンやってみたいと思うじゃん。


はまってんじゃん。

地球

自己を開放して生きると出てくるのは
弱音、泣き言、恨み節ばかりという、
未だ思春期真っ只中の僕ですので、
しばらくの間、脳に鍵をかけて
偽りの享楽に身を溺れさせたいと思います。


地球は誰の為に回っているか知ってるかい?


そりゃもちろん、コペルニクスガリレオの為だぜ。


世間の後ろ指をものともせずに、
屹然と権威に異を唱えた。


そんな二人の勇気の為に今日も地球は回ってるんだぜ。


そう、地球はいつでも勇気のある者の味方なのさ。
勇気があれば地球が味方してくれるんだぜ。


その反面、勇気のない薄弱な者には、
時として厳しい天罰が下る。


僕がやたらと天候に恵まれないのは、
僕の勇気の無さが原因なのかも知れない。


超絶的雨男の汚名を拝しているヘタレだぜ。


やさしくも厳しいぞ地球。

夢の中では言えたのに

昨日の夜、夢を観た。


とてもロマンチックで甘い夢だった。
でもそれは、今の僕にとっては残酷でもある夢だった。


夢の中の僕は、今よりも少し肌の張りが良くて、
今よりもいろんなことを信じる事が出来た。


手を伸ばせばいつでも肩に手が届くと信じていた。


というのはもちろん夢で、
意味深な夢ほど意味のないことをもちろん僕は知っている。


でも、意味のないところに意思を持たせるのが、
人間の所業ではなかろうか。


そう、僕はここに高らかに宣言する。


僕は今日から生まれ変わる。


碌でもない僕から、やっぱり碌でもない僕へと。

リンダ・リンダ・リンダ

昨日の夜『リンダ・リンダ・リンダ』を観てから寝た。


観終わった時はそれほどでもなかったのに、
ふとんに入って電気を消したら
何故だかどうして涙が止まらなくなった。


涙の中で僕は、己の卑小さを改めて認識する。
そして、そんな僕の傲慢とわがままで、
これまで傷つけてきた全ての人への申し訳なさで胸が詰まる。


そういえば、その昔初めて付き合った女性と別れる日
「明日が地球最後の日だったらどうする?」
と聞かれて
「これまでに出会った、一人でも多くの人にありがとうとごめんなさいを言いたい」
って答えたっけ。


昔からかっこよくもないのにかっこいいセリフを言いたい奴だったんだな。


夜空を見上げて星が出てれば、その美しさに心動かされ。
雨が降っていたら、肩を濡らす雨の心地よさに浸って。


それだけで結構しあわせなはずなのに、
昼になるとどこからか人間的欲求に苛まれる。


とにかく、明日から四国です。
僕の一番好きな国です。

血染めの初詣

近所の神社に行って、初詣らしいことをしてみた。
本尊の囲いの庇に頭をぶつけて、正月早々頭をかち割ってしまった。
笑えないでしょそれ。
初詣で血だるまだもん。
でも笑っちゃうんだよな。


トホホマニアだから。


今年もきっとあまりいいことないだろうな。